●牧場日記
こんにちは。年も変わりいつの間にか1ヶ月が過ぎていました。『時間が過ぎるのは早いものだな』と身にしみて感じています。中山健次です。今回は前回予告しました『種豚』についてお話ししたいと思います。まずは『種豚』とは何かをお話ししたいと思います。『種豚』は母豚・父豚として『肥育豚』の生産をするために選抜してそろえられるものです。
この『種豚』について色々お話ししたいのですがその中でも今回は『母豚になるまで』についてのお話をしたいと思います。母豚になる梅山豚は産まれてすぐに、会長が一頭一頭じっくりと見て選抜し、見てすぐに分かるように耳標(番号の書いてあるイヤリング)を付けます。
選抜する重要なポイントは
(1) 体型(背骨が曲がっていないか、お尻が大きく子供を生みやすいか)
(2) オッパイの数(9個2列で18個が基本です)
(3) 遺伝(出産する子供の数や産まれてきたときの大きさ、育ち上がり)です。
産まれてすぐの梅山豚は前にもお話ししましたが歯(牙)、尾を切ってあげます。これは母豚になる梅山豚でも肥育の梅山豚でも一緒に行います。約60kgになるまでは肥育豚も種豚になる梅山豚も区別なく同じように育てます。
生後4、5ヶ月ほどたって体重も60kg前後になってきたら種豚用の放牧場の方へ移動します。放牧場で元気に走り回って強い足腰をつくります。この移動の時はとても大変です。いくら素直で気の弱い梅山豚でも初めて外に出ることになるので、なかなか思うように動いてくれず農場のメンバーみんなでトラックに乗せます。放牧場へ降ろすと小屋の隅でジッとしてしまって放牧場になれるまで、2,3日かかります。5日も経つとみんなで元気に走り回り、よく食べ、よく寝るようになります。
生後7,8ヶ月になると発情がはじまり、種付けをすることになります。発情は20日周期できます。そして約3日間ずっと発情をつづけ翌日になると発情が止まります。この間にうまく受胎しないと、また20日後に発情を繰り返すことになります。基本的にはこの周期はまったくといっていいほど正確です。しかも、受胎率は90%以上で、原種としての生殖能力のすごさを感じさせます。しかし高齢になってしまったものが、何度も再発情を繰り返してしまって種付けがうまくいかなくなってしまったり、発情がこなくなってしまうと母豚としての役目が終わります。
こうして種付けがうまくいった梅山豚は、放牧場からストール(柵によって1頭ずつ区切ってある小屋)に移します。ここでゆっくりと体を休めさせて、出産にむけて準備をさせます。出産までにかかる日数は種付け後、114日です。これも発情の周期と同じにほとんどの梅山豚が114日で出産を行います。(梅山豚は時間が分かっているのか、予定日にずれがほとんどないのはほんとうに神秘的です。)
母豚のサイクル

*梅山豚は年2回分娩でき、単純計算すると5年で10産できることになります。
この仕事をしてみて梅山豚の凄さを感じさせられます。普通の豚は平均9〜10頭出産しますが梅山豚は平均13〜14頭出産します。また先ほども書いたのですが、母豚のサイクルにズレがなく年間計画がとても立てやすいです。自分から見て普通の豚は温室育ちでぬくぬく育っているように感じ、梅山豚は放牧場で太陽の下元気に走り回って厳しい暑さや、寒さも耐え抜き、沢山子供を育てて『現代人がなくしてしまった何かを持っている』ような感じがして、そのお肉を食べると梅山豚のパワーをもらえるような気がしています。
塚原牧場に入って初めてお正月を迎えたので、自分の今年の目標を立てたいと思います。今年は何事も『時間』を大切にしていきたいと思います。今まで時間を無駄にしていたことが多かったので、何事も素早く正確に行いたいと思います。また、今年はせっかく体を使う仕事なので、15kgぐらいは体をしぼりたいとも思います。
次回も『種豚』(雄)についてお話ししたいと思います。お楽しみに!!!
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